W杯に何を期待するか?

残業を終えて深夜、家に着くと試合は終盤を迎えていた。

すでに日付は変わっていたはずだ。

「まだやってたのか」

安堵と共に緊張感が走る。

勝てば文句無く日本の歴史を変える一戦だ。


恐る恐るスコアを見る。

2-1

勝ってる!

試合時間はあとわずかだ。

着替える事も忘れてテレビに釘付けになる。


同日に行われれている他会場の結果が伝わる。

韓国が大勝したことで、予選突破は勝利が絶対条件とされた。


イラクの選手の足は明らかに止まっている。

青いジャージーの選手達の方が動きが良い。

いける!


中東独特の気候と応援のリズムが画面から伝わると、すでに秋が深まる日本にいてもじんわりと汗ばむような気分にさせた。


フォワードがボールを持って敵陣に攻め込む。

相手ディフェンスが必死に戻るが追いつかない。

ダメ押しの1点よりは確実に時間を使う方が賢明だと、にわかファンの俺にもわかったが、味方のフォローが無いと判断したフォワードはあっさりと蹴りだしてしまい、ほとんど時間を消費できないまま相手方にボールが渡る。

「何でキープしないんだよ!」

画面に向かって毒づいたような記憶がある。


嫌な予感がした。

予感は的中し、その数十秒後に日本チームの浮き足立ったいくつかのプレーをはさみ、その後事あるごとに何度もリプレーで見せ付けられたドーハの悲劇につながることになる。


「これがサッカーなんですよ」

絞り出すように放った解説者の言葉が今でも忘れられない。


あれから四半世紀

6大会連続でワールドカップに出場し、もはや出場は当たり前と思われてきた。

それでもアジア予選では手に汗にぎり、グループリーグ抽選結果に皮算用し、本大会では「これがサッカーなんだよな」な気分を味わいながら日本代表を応援し続けてきました。


ハリルさんが解任だそうな。

本大会2ヶ月前に。

後任が西野さんだそうな。

ふーん。


なんだろう。

この他人事感は。


あれだけ熱く応援してた俺のパッションは何処に行った?


今回の電撃解任劇はつまりこういう事なんだろうな。

理由はいろいろあっても、結局のところサッカー人気、特に代表戦の盛り上がりの低さに、スポンサーが業を煮やしたってことなんでしょうかね?


確かに選手を固定しないことでオラがチーム感は薄い。

にわかファンからすれば「誰?」なメンバーが選ばれてたりもします。

逆に言えば今までは監督も含めてタレント的な扱いをメディアがしてて、それに乗っかる格好で国民も盛り上がるって事だったんでしょう。

ガチなサッカーファンからすれば納得いかないのかもしれないけど。


アギーレさんあたりからなんか盛り上がらなかったよね。

顔怖かったし(そこか?)


これがまだスペインやメキシコばりの華麗なパスサッカーを標榜してるなら良かったんだけど、デュエルとか言われても良くわからない。

しかも縦に早いサッカーって言わんとするところはわかるんだけど、具体的にどうするのか見えてこない。

歴代の監督さんたちはそれなりにサッカー哲学みたいなものを持っていて、発展途上な日本サッカーは学ばせてもらったりもしました。

オシムさんの言葉なんかわかりやすかったもんなぁ。

そういうところも無いんだよな。


まぁぶっちゃけロシア大会の結果は期待しません。

それよりもむしろ、今後の進むべき道筋が見えるような大会にして欲しいんだよね。

ブラジル大会で木っ端微塵になった「自分達のサッカー」に変わる新たなスタイル。


勝ちにだけこだわるなら「百姓一揆サッカー」なんて日本に向いてそうだけど、それは勘弁して欲しい。

縦に早いサッカーではありますが(笑)

ちょっとしあわせ

Just a Little Happiness

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