「まみこ。25歳」春の丘編
初夏を思わせる日差しを避けて木陰のベンチに座っていると、待ち合わせよりずいぶん早くその人は現れた。
近眼と老眼のハイブリッドな目には見づらい文字を必死に追おうと、 背中を丸めてスマートフォンを覗き込む様は、さながらちょっとさえない老人を思わせたはずだ。
視界の端に映ったパステルブルーのスニーカーと菜の花色のスカートの裾が待ち人の到着を知らせた。
ここでの撮影を決めたのは昨年の秋だ。
何がきっかけでそんな話になったのかは覚えていないのだが、好きな映画の話になった時の事。
「でも一番好きなのはアレなんだよねー」
わりと地味な、それでいて根強いファンのいる映画だ。
『あれ、良いですよねー』なんて同意の言葉を期待していると、ちょっと険しい表情で俺を見ている。
え、なに?あの映画嫌いなのか?うわぁ、やっちまったか?これって何ハラ?
「私、大学の頃はあそこに毎年行ってました!」(ドヤっ)
その映画のモデルとなった街。いわゆる聖地だ。
って事は好きなのか。ホッ
んじゃあの険しい表情は筋金入りのヲタがにわかを値踏みする際に見せる表情だったんだな。
うわぁ、こりゃうかつな事は言えない。
「俺行ったことないんだよねー。行きたいとは思ってるんだけど、なかなか機会が無くて」
「いい所ですよ!」
「え、じゃぁロケ撮行こうよ」
「良いですよ!どうせなら桜の頃が良いなぁ」
その時は軽い約束。
行けたら行くよ(絶対来ないだろお前)的な。
だって随分と先だから。
なーんて思ってたらもう春ですよ。 早いなー。
ついこの前までぶるぶる震えながら釣堀行ってたのに(笑)
なんか奥歯にサキイカが盛大に挟まってる書きぶりで申し訳ないんですが、敢えて映画名とか地名は記載しないのでお察しください。
知ってる人は知ってるし、そこそこ有名ではあるんだけどね。
なのでくれぐれも「あ、そこってあそこですよね!」なんてリプしないように。
リュンリュンさんなんか絶対知ってるはずだから気をつけてくださいね(笑)
この日は初夏を思わせる日差しでした。
映画でも印象的なシーンだった神社の木陰。
木漏れ日が良い感じです。
夏には産休だから今のうちに夏っぽいの撮れてラッキーです!
白のノースリーブワンピに麦わら帽とかも良いかもね。
ところで実はお昼の時間帯だったんですが、住宅地なんでご飯屋さんがない。
しかもコンビニすらないという閑静さ。
まみこちゃんも涼しい顔で歩いてるけど疲れてるに違いない。
「疲れた?」
「はい」(即答)
どわぁぁぁ、ヤバい。ねぇさんヤバいです!
もうちょっと行けばカフェらしきお店があるのはロケハン時に確認済み。
とは言えまだちょっと歩く。
さんざん坂だの階段だの登らせて、鬼だよな。俺も。
ごめんよまみっこ。
途中ちょっと撮影はさみながら(するんか!)やっとお店到着。
まぁなんか食べるものあるでしょ。
カレーとかナポリタンとか焼きうどんとか(それはカフェではない)
とにかく座れるのが嬉しい。
と、あれ?
食事メニューがない。
唯一あったのが「たこ焼き」
考えてみればまみこちゃんとのロケ撮ってお昼ご飯のプランことごとく外してるんだよね。
尾道でも大洗いでも。
完璧な昼食を演出するのが今年の目標としたいです(そこなの?)
住宅地にあるお店だから、ご近所さんが普通に顔を出す。
赤ちゃんを連れたご近所さんとお店の奥さんが談笑を始めたりして。
のどかだなー。
あと数ヶ月でまみこちゃんもあんな風に赤ちゃんを抱くんだなぁなんて微笑ましく見ていると、まみっこがつぶやく。
「あの赤ちゃん、もりくまさんに似てる」
うえぇぇぇ、なんですと!
そりゃ頭の産毛がちなところとかそっくりだけど。って誰の頭が産毛じゃい!
まぁ赤ん坊のようにピュアな人柄って事で納得しておきましょう←
そんなこんなで楽しい一日になりました。
妊婦なのにしこたま歩かせてすいません。
またいつか行きましょうね。
赤ちゃんと一緒にw
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