ガチ恋は百害あって一利なし

ここ最近ガチ恋カメラマンに辟易したモデルさんが活動縮小したり、なんならストーカー化したカメラマンと訴訟騒ぎにまで発展した、なんて話題を良く目にするようになりました。

でも、これってあおり運転がドライブレコーダーの普及にともない顕在化してきたのと同じで、以前からずっとあった問題だよね。

まぁ俺ごときが世界の片隅でぶつぶつ物申しても1mmも事態は改善しないとは思うんだけどさ、それでも何もしないよりはマシかな?と思いちょっと書いてみようと思う。

実はこの手のネタ書くのは3回目ではあります。


ガチ恋カメコをいかにいなすか!ってのはモデルさん界隈で共有してもらえればいいと思うので、俺としてはカメラマンとしてこの問題にどう対処するかに着目して書いてみようと思う。


お前関係ねーだろ!とか言われそうですが、そんな事はないんですよ。

だってあれですよ。

キモイおっさんカメコの相手してもいいよう!なんて神様みたいなモデルさんは、人類が英知を結集して守るべき希少種とも言え、国の天然記念物に指定されてもおかしくないわけですよ。

それを自身の利己的な欲望を満たさんが為に傷つけるような不埒な輩は、桃太郎侍や破れ傘刀舟なんかに成敗されてしかるべきなんですよ、桃太郎(あ、ここらへんはついて来れる人だけでお願いします)


さて、じゃぁガチ恋はしちゃいけない事なのか?って言うとそれも違うと思うんだよね。

だって恋ってするもんじゃなくて落ちるものじゃん!(何このイラっとする感じ)

ポートレート撮影においては被写体、つまりはモデルさんに対するほんのりした恋ごころって、撮影の原動力になるとも思うんですよ。

このモデルさんを被写体として、どうしたら素敵な写真が撮れるんだろうって、ロケ地とか衣装とか機材なんかに心を巡らせてイメージを作り上げるわけで、少なからずモデルさんに魅力を感じてるわけです。

(まぁもともとあったイメージに合致するって理由でオファするケースもあるけど、ここではちょっと割愛します)


容姿だけじゃなく、表情やポージング、ひいては撮影への協力度やモデルさんご自身の人となりに惹かれだしたりもします。

そんなこんなで気がついたらそのモデルさんの事ばかり考えるようになってて、これってもう恋じゃん!なんて夜空の月を見上げたりなんかしたらもうアウトですよ。

でもね、このレベルなんてざらにいるだろうし、これまで否定されちゃうとカメラマンも立つ瀬が無い。


では何故ガチ恋カメコがモデルさんの心を蝕むまでになってしまうのか?

それはね、ガチ恋エネルギーが放射能を帯びてるからなんですよ。

圧力容器の中、制御棒で適正にコントロールされてるうちは問題ないんです。

むしろクリーンで爆発的なエネルギーすら生み出してくれます。

海外ロケ行ったり機材に数十万かけたりと経済にも貢献できて世の中的にもウエルカムです。

ところが熱量が強くなりすぎて放射能が外に漏れ出すと、途端にヤバい状況になります。

自然界にあるレベルを大幅に超えた放出量を浴びたモデルさんは当然のことながら病みます。

下手をすれば死にいたります。

周りのカメラマンだって影響を受ける場合もあり、最悪の場合、撮影会自体が吹っ飛ぶ可能性すらあります!

そうならない為にも、個々のカメラマンが放射能漏れを起こさないように気を配らないとだめなんですよ。


じゃぁ具体的にどうするべきか。

答えは簡単です。

「余計な言動を慎む」

え?そんな事?って思われるかもしれません。

でもね、意外と皆さんそれができてない。

たぶん俺もそうだと思うし(汗)


実はこの問題のいちばんの問題点は

「自覚が無い」

ってところにあります。


そりゃそうだよね。

好きな相手にわざわざ嫌われるような事しませんもんね。

でも実態はそうじゃないわけです。

良かれと思ってした事で、モデルさんはドン引き。もっと言うと嫌悪感すら抱いてたりします。


例えばモデルさんがその日に開催された撮影会の感想ツイートを投稿したとしよう。

「今日撮影させてもらったもりくまです。ずっと撮影したいと思っていたので念願かなって嬉しかったです。思ってた以上に素敵なモデルさんで感激しました。豊かな表情のバリエーションや、指先まで神経の行き届いたポージングなど、人気の秘密がわかりました!また撮影できると良いなぁ」

なんて、ちょっと前のめりなコメントをしたとして

「私も今日は楽しかったです。また撮影してくださいね!」

なんて返信が来たりすれば嬉しいってもんです。

「いや、こちらこそありがとうございました。本当に今日は楽しかったです!また是非撮影させてください!」

でもって間髪いれず返信するも、それに対してはリプが無くてちょっとガッカリ、なんて経験は誰しも持ってるはず。

これ。

この感覚なんですよ。危険なのは。


普通であれば1往復で終わるやり取りに2往復目を期待したって事ですよね。

こっちは相手がひとりだからいいけど、モデルさんは複数を相手にするわけで、それ以上拡がりようのない会話を続けるほど暇じゃないんですよ。

そのことが理解できずにしつこかったりすると「うーん」って感情が芽生える。

コメントの文言も常識の範囲で褒められていれば、モデルさんだって嬉しいと思います。

ただそれがちょっと常軌を逸した過剰な褒め言葉だったりすると「ん?」ってなるわけです。

「世界一のマーベラスビューティ!僕の女神さま」的な。


そんなこんなで撮影に来てくれたり、褒めてくれた事への「好感」が次第に「違和感」に変わる。

「違和感」ポイントもある一定数たまると「嫌悪感」に変わります。

「嫌悪感」ポイントがたまっていくと、いよいよ「忌避感」さらには「恐怖感」になって、ここまでくるともうどうしようもない。


ではどんなカメラマンがガチ恋カメコになりやすいタイプなのか考えてみました。

(1)団体より個撮、個撮よりリク撮が好き

(2)特定のモデルさんに偏りがち

(3)モデルさんにとって自分が一番だと思う。あるいは一番になりたい

(4)モデルさんの為になっている。あるいはなりたいと思う

(5)モデルさんとの信頼関係が一番大切だと思う

(6)リアルでモテた事が無い


ワシやないかーい!


一応言い訳すると

(1)これは人見知りって性格もあるからなー。でもこの夏のひまわり企画は遠足みたいでめっちゃ楽しかった。

(2)これはそうなんだよね。はたから見たらちょっと粘着に見えるんだろうね。でも時間とお金が許せば撮りたいモデルさんはたくさんいるんですよ!

(3)ナンバーワンというよりはオンリーワンにはなりたいかな。

(4)これはたまにやらかします。大きなお世話なんだよね、たいていの場合。

(5)約束は守るようにはしてます。ギャラとか時間とか。保育園のお迎えに間に合わないなんてもってのほかです!

(6)うるせー、ばーか!


でも、まぁそう考えると、俺もガチ恋カメコ化する素養はあるわけで、幸か不幸かそんな自覚もあるので個人的に気をつけていることを書いてみようと思う。


SNSの中でも特に危険なのがツイッターだと思ってます。

手軽に始められるからこそ、距離感を見誤りやすい。

だとすると、我々が一番気をつけなければならないのはツイッターでの振る舞いかもしれませんね。


【リプの頻度やタイミングに気をつけろ】

まずは投稿へ対する「いいね」や「リプ」

クソリプにならないよう注意している人は多いと思うんですが、頻度やタイミングは見過ごしがち。

通知はやめたほうが良いです(投稿があった事を知らせてくれるあれね)

自分の投稿に秒で「いいね」がついたりリプが飛んでくるとビックリすると思うんです。

最初はたまたまその時間に見てたんだろうなぁと思うけど、二度三度続くと「違和感」ポイントになりかねない。危険です。

先日テレビでさっしーが「SNSで最初にリプつけてくるやつはだいたいヤバイやつ」って言ってました(笑)見事な見識です。

これが許されるのは吉沢亮だけです。


通知が来れば見に行っちゃう。んでコメントしたくなっちゃう。

これってアル中のおじさんが仕事帰りに飲み屋の暖簾をくぐって「よ、大将、景気はどうだい?」って聞くようなもんで、そのまま飲まずに帰れるわけが無い。

そもそもそこで帰れるくらいならアル中になんかならないわけだから、帰路を変えるなりして飲み屋から距離を置かないとダメなのと同じです。

通知は即刻切る事をお勧めします。


【DMは撮影要件のみに徹しよう】

「それコメントへのリプで良いだろう」ってな、どうでもいい内容のDMを送る事もやめたほうがいいです。

そもそもDMは衣装の打合せや、フリーのモデルさんなら撮影のオファだったりスケジュール調整なんかの、いわゆる仕事の為に存在するわけです。

ここにどうでも良いDMが氾濫すると大事なDMを見逃しかねず、モデルさんにとっては死活問題でもあります。

わざわざプロフィール欄に注意喚起しているモデルさんを見るにつけ、結構来るんだろうなぁと思って「お疲れさん!」って気持ちになります。

だって考えてもみてください。

例えば、子どもの入試の合否結果みたいな大事な知らせを待ってる時に上司から

「今朝顔を洗おうとしたら水の冷たさに驚きました。もう秋ですね。今夜は栗ご飯にしようと思います」

なんてメールが届いてみ!

俺なら軽く殺意を覚えますよ。

それと一緒です。

モデルさん達は軽い殺意を必死に堪えてるんです。笑顔の裏で。

これが運悪くポイント5倍デーとかに送ろうもんなら、一発で嫌悪ポイント満枠で出禁一丁上りです。

まぁモデルさんによっては20ポイントで満枠って寛容な方もいるので、その場合はギリセーフですが。

あと、異常に長文のDMも嫌悪ポイント高いです。

人気のモデルさんは自分以外からもたくさん「撮影要件」DMが来てるわけで、感想文みたいな文章を読んでる暇はないはず。

オススメは箇条書きです。

・まずは挨拶(簡潔に。初めましての場合は必須でしょう)

・希望日時(必ず時間も明記。少なくとも午前午後の区別は書きましょう)

・ロケ地(待ち合わせ場所、大体の移動時間)

・撮影イメージ(カッコいい、とかカワイイとかセクシーとか。サンプル写真があるとわかりやすいんじゃないすかね?)

・衣装リクエスト(手持ちなのか、持ち込みなのか。これもサンプルがあればわかりやすい)

・ギャラ(あらかじめモデルさんの指定があれば確認の意味を込めて)


ちなみに、撮影要件に関連して言うと、結構皆さん口をそろえて言うのが、撮影現場で打合せになかったエロい衣装や撮影プランを持ち出すのは嫌悪ポイント高いらしいです。

気の弱いモデルさんなんかだとその場で断れなくて、帰ってきてから後悔したり病んだりするらしいので、厳に慎むべきです。

一度失った信頼はなかなか取り戻せないですからね。


【思わせぶりなエアリプには気をつけろ】

これも意外とダメっぽいです。

そもそもツイッターってどうでも良い呟きの場なんですが、思わせぶりなのはNG。

これも知らず知らずのうちに嫌悪ポイントたまります。

リボ払い並みに 。

気をつけましょう。


本当にガチ恋してようがしてまいが、相手に嫌悪感を与えた時点でダメなんですよね。

それまで本当に撮影が楽しそうで、ツイートなんかも頻繁にしてたモデルさんが、急に浮上しなくなったりすると、あれかなーなんて思ったりしません?


ツイッターで散々煙たがられてるのに、リアルでそれやっちゃおしまいよ的な事もあります。


【自分が一番だと思うな】

人気モデルさんのコメント欄なんかでカメラマン同士のマウントの取り合いみたいなのを目にしたりします。

きっと裏で熾烈なDM合戦が繰り広げられてるんでしょう。

これは間違いなく嫌悪ポイント高いです。

モデルさんからしたらどっちも同じ依頼主で、どっちが上とか写真が上手いとか関係ないはず。

他のカメラマンと張り合うのは愚の骨頂で、それをあからさまにアピールするのは自殺行為とも言えます。

フォトテクで俺が「佳作」であいつは「あと一歩」とか、もうねアホかと。

少なくとも自分の事を撮影してくれてるカメラマンさんを悪く言われて嬉しいモデルさんなんていないはずですよ。

あと最悪なのが、みんなの前で俺が一番アピール。

これをやられると本当に困るらしいです。

彼氏ヅラなんかしようもんなら救いようのないバカ。略してスクバカの称号を差し上げちゃいます。

これが許されるのは吉沢亮だけなんです。


【過剰な差し入れはいただけない】

彼氏でも旦那でも吉沢亮でもない男から高級な化粧品とかアクセサリーとか貰って嬉しいと思います?

それってクッキーの底に金貨敷いてあるのとイメージ一緒ですよ。

なに狙ってんだ?お主!みたいな。

まぁ中にはそういうのが嬉しいモデルさんもいるとは思いますが、多分誰から貰ったかは覚えてないと思います。

差し入れるならクッキーでいいんですよ。金貨なしの。普通の。

あ、これ例え話ですから。

ダイエット中のモデルさんにお菓子とか差し入れたら、間違いなく嫌悪ポイントつきます。

気をつけたいところです。


ガチ恋カメコ達は放射能が漏れ出してる事に気がついてないわけです。

まわりで気がついてても「ちょっと漏れてますよ」とは言いづらい。

ましてや相手のモデルさんなら何をかいわんや。

笑顔で何事も無かったように接してくれますが、良くみると防護服を身にまとっています。

それだとあまりいい写真は撮れないよねぇ。

第三者機関みたいなのがあって「何ベクレル漏れてますよ」とか教えてくれると良いんだけどね。


自己分析してみて、あれ、俺ってガチ恋カメコ化してる?って思った方

一度モデルさんとかポートレートから距離を置いてみると良いと思います。

しばらくお地蔵さんを撮るのも良いかもしれない。

いわゆる冷却期間です。

「頭を冷やして出直して来い」とは先人の知恵から出た至言ですね。


結局のところ「余計な言動は慎む」って事なんだと思いますよ。


まぁでもね、あくまでこれは俺の私見なわけです。

「金払ってるのはこっちなのに、どんだけモデルに気をつかうんだよ」「結局もりくまがモデルに気に入られたいだけだろ」「文章がなげーよ」とかいろいろご意見はあるんだろうと思います。

それはひとつの見識でもあり価値観でもあるから否定するつもりは無いんだけど(文章長くてごめんね)、でも事実として、ガチ恋カメラマンへの対応に苦慮して活動を縮小したり、辞めてしまったりなんて話を耳にすると残念な気持ちにもなります。

先輩モデルさん達の作品に憧れて、ドキドキ、ワクワクしながらモデル活動を始める若いモデルさん達もたくさんいます。

彼女達が最初に抱いたであろう「写真って楽しい!」って気持ちがどうかずっと続きますように!って切に願います。

そしてポートレートモデルが憧れの存在になって、たくさんの素敵なモデルさんが生まれると良いなぁと思うのです。


だってそうなれば、もしかしたら「吉沢亮よりもりくまさんのが好き」って超希少種モデルさんが生まれるかもしれないじゃないですか!

(1万年と2千年たってもうーまーれーなーいー♪)

ちょっとしあわせ

Just a Little Happiness

0コメント

  • 1000 / 1000