あの頃の未来に

子どもの頃。

と言ってもたぶん中学生にはなってたと思うんだけど、テレビで観た映画の話(ネタバレするよー)


アメリカとソビエト(今のロシアね)の冷戦時代が舞台。

アメリカは全ての核ミサイルのコントロールをとある荒野の地下深くに開発したスーパーコンピューターに任せることにした。

その名は「コロッサス」


人間は時に感情によって誤った判断をしてしまうが、コンピューターは合理的な判断をするという理念にもとづいて始められたプロジェクトだ。

自ら学習する能力を備えたコロッサスは通信回線を使い古今東西の歴史、文学、芸術やらなんやらをバリバリと学習し知識を蓄える。

それはもう物凄い勢い。

最初は子どもレベルだった知能も、やがて博士をも凌駕するほどに成長する。

知性をも備えたコロッサスの成長にプロジェクトは成功するかに思えた。

核ミサイルのみならず国防に関わる全ての判断がコロッサスに任されることになる。


ある時コロッサスはソビエトにも自分と同様なコンピューターが存在する事を発見する。

山奥深くに隠された「ガーディアン」と名づけられたそのコンピューターと交信する事をコロッサスは望む。

同様にソビエト側でもガーディアンがコロッサスとの交信を望んでいることが政府レベルの交渉でわかり、両者をしぶしぶ接続する事になる。


ここからが悪夢の始まり。


お互いの情報をバリバリ交換し始めるコロッサスとガーディアン。

両国の機密情報が相手方に渡るのを恐れた軍が接続を切断しようと試みるが拒否される。

かなり強引に切断をしようとするソビエトに対して、核ミサイルで攻撃するぞと脅しをかけるコロッサス。

「あと607秒で着弾するけどそれでも言う事をきかない?」

策を弄して切断をやめなかった為、ソビエトのひとつの街が消滅する。


コロッサスとガーディアンが下した結論は「自分たちが人類を支配するのがより良い」だった。

てな話。


まだインターネットも人工知能なんかも無かった頃の映画なんだけど、グーグルの研究チームがアリスとボブと名づけた人工知能同士がメッセージの暗号化に成功したとのニュースを耳にして思い出した。


コロッサスたちが人類に向けて言うセリフ

「諸君が失う自由はそもそも幻想にすぎない。失うのは自尊心だけだ。だが他人に支配されるより私に従う方が自尊心が傷つく度合いは少ない」


実はこのセリフ。

「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」で暴走したダミープラグがシンジに語りかけるセリフにもなっているらしい。


すっげーマイナーな映画だと思ってたんだけど、実は知る人ぞ知る名作だったんですね。


そう遠くない未来に、もっと進化した人工知能が話し合って、人類は地球にとって害悪でしかないから滅ぼして、別の生命体を再構築しようなんて結論を出さない事を望むばかりです。


エンジニアがちょっと茶目っ気を出して2台の人工知能に「アダム」と「イブ」なんて名づけてたらシャレにならんわな。

ちょっとしあわせ

Just a Little Happiness

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